当カウンセリングルームは、リーズナブルな料金でセッションを行っております。しかし、物価高騰などの影響から今後は2月の新規申込の方から、各料金千円ずつ価格を上げさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。詳しくは料金のタグをご覧ください。
お知らせ
スタッフの著書『誰ひとり死なせない学校づくり』出版
セラピー中の疑問は次のセラピーで解決を
相談者と我々セラピストの間で、セラピー中に行き違いが生じたり、誤解が生じたりすることがあります。その多くは、我々セラピストのミスであったり応答がズレたりしていることがあるかもしれません。
ただ、それだけではなく、相談者様の日常的な人間関係がセラピーに反映する場合もあります。それを専門用語で感情転移といいます。よくあるのが、親に対して複雑な気持ちがある場合、それをセラピー中やその前後にセラピストに向ける反応です。それを受けて、セラピストも反応してしまうことを逆転移といいます。
たとえば、年配の男性セラピストに対して、父親に対する反発と同様な反発の気持ちが沸いてくる場合があり、それを受けてセラピスト側も子どもに対する感情を相談者様に出してしまうこともあります。
それらをまとめて転移逆転移といいますが、実はこれも相談者様の問題解決の手がかりになることがあります。親子の感情的人間関係がセラピーの場で再現されているのですから、絶好の手がかりです。
だから、その場合もセラピーやカウンセリングをやめてしまうのではなく、あるいは、セラピー以外のメールのやりとりなどで解消するのではなく、次のセラピーで話題にして相談者様の問題解決やお互いの成長に活用した方がよろしいかと思います。
ぜひ、引き続きセラピーやカウンセリングを粘り強く継続していきましょう。
いきなりトラウマを語る必要はありません
トラウマは少しずつしか聴きません
本カウンセリングルームではトラウマ治療をしていますが、だからといって、いきなりトラウマを語ってもらうことはありません。トラウマを語ると悪化する場合があるからです。
トラウマ治療を受けたいと予約をとっていただいて、面接が始まってもどんなトラウマかはお聞きしません。
最初、心の安心基地を育みます。あなたにとって、安心できる場所、人、風景、時間帯、色、匂いなどなんでもなにかプラスになるイメージやリソースをお聞きします。それは、実在するものでも想像上のものでも大丈夫です。
ただ、トラウマのある人は、そのような心の安心安全基地が乏しい場合があるので、それをカウンセラーがいっしょに育みます。
例えば、ある人は、そういうものがなかったので、カウンセラーといっしょに考え、景色とか部屋とか歴史上の人物とか少しずつ試行錯誤で育みました。
そして、その安心安全のイメージを深めるために、トラウマセラピーの手法であるEMDR,ボディコネクトセラピー、タッピング等を用います。
何回か、安心安全基地を育むことに成功したら、今度はトラウマではなく、日常的な悩みや身体の不調などをターゲットにトラウマセラピーをします。
その日常の悩みや身体愁訴がトラウマにつながっている場合があるので、少しずつトラウマに近づくのです。それはスモールステップの発想と同じです。
だから、トラウマ治療を希望しているからといって、いきなりトラウマを伝えようとしなくて大丈夫です。ただ、トラウマセラピーをしたいと教えていただくだけで大丈夫です。
伝えるのが苦手だからといって、詳細に記述して最初に伝えることも必要ないです。その文章を書くだけで、トラウマが悪化する可能性があります。カウンセラー側も手紙やメールでいきなり詳細にトラウマを伝えられても上手に対処できない怖れもあります。
トラウマ治療は少しずつゆっくり確実に進めていくものです。
カウンセリングルームさの 北九州ルーム開設
スタッフの1人の佐野和規が、山梨県公立学校の教員を辞めて、転職し単身赴任にて、福岡県北九州市の私立大学の教員になりました。そのため、これからは福岡県の人たちも支援していこうと思います。当面はオンラインで相談対応します。
カウンセリングルームさのは、これからは山梨と福岡を拠点に、オンラインで全国の方々の心理ケアを行います。
※これまで「心理発達支援ねっと」で対応してきたクライエントの皆様にはオンラインで対応し、料金も今まで同じ会費です。
全国どこからでもオンラインで可能
当カウンセリングルームさのでは、オンラインでも相談を受け付けています。
コロナ禍の前、カウンセリングもセラピーも、当然対面で行うのが普通で、オンラインで行うことは例外的なことでした。それでも、あるカウンセラーは電話やスカイプでのカウンセリングを行っていました。そのときもそのカウンセラーは、電話でもそんなに効果は変わらないと言っていましたが、私はそれを聴いて、本当だろうかと思ってました。
その後コロナ禍になりました。当初、密を避けるため、対面でのカウンセリングが一時的に全国で控えられたと思います。しかし、メンタル不安定になったり、自殺者も増えたりして、試行錯誤の中で、カウンセリングやセラピーをやむを得ずオンラインで行うようになりました。
その結果、オンラインでも、セラピーやカウンセリングの効果があまり変わらないということが気づかれるようになりました。エビデンスも出ています。最初のカウンセラーがコロナ前に言っていたことは正しかったわけです。
むしろ、オンラインだと、アクセスしやすくなりセラピーの敷居が低くなったり、クライエント側もカウンセリングを気軽に受けれるようになったいうことです。移動時間も距離も交通費も関係なくなるわけですから、オンラインカウンセリングのメリットも多いわけです。
たとえば、現在トラウマに対するセラピーが求められていますが、自分の地域にトラウマセラピーを実施できるカウンセラーがいないという場合でも、オンラインで、全国どこからも場合によっては海外からでも受けられるようになっているわけです。
当カウンセリングルームでも、メジャーなトラウマセラピーをいくつか行えるので、全国どこからでも受け付けています。
EMDR,ボディコネクトセラピーは、指や指し棒を左右に振った時に目で追うことが必要ですが、オンラインでそれを行う方法がそれなりに説かれています。クライエント側は、セラピストの画面を1つ大写しにして、セラピスト側は、クライエントと自分の2つの画面を見ながら行えば、できるのです。
そのほかのトラウマセラピーのほとんどがオンラインで実施でき、効果はほとんど変わらないとのことです。
全国からの申し込みを受け付けていますので、ご連絡をお待ちしています。
身体はトラウマを記憶する
発達障害の公的支援機関は数ヶ月待ちです
こころの発達総合支援センターという発達障害の診断を行う公的機関が山梨県にはありますが、数ヶ月待ちの予約状況のようです。当カウンセリングルームでは、有料ですが、すぐに大人の発達障害の検査を行えます。また、小中高生の発達障害の疑いについては、リンクにある「心理発達支援ねっと」が低料金で対応することができます。
ただ、発達障害の診断は医師しかできないので、我々は、検査を実施して、何が得意で何が苦手か、あるいはご本人にどのような特性があるかをお伝えるすることができます。
検査結果の具体的内容や支援方法をまとめた所見(紙)というものを発行するので、それを医療機関に持って行けば、医師が発達障害かどうか、どのような発達障害か診断してもらえます。
また、支援方法についても、積極的に提案をしていきます。
夏休みの時期こそ不登校対応のチャンス
お子さんが不登校の保護者は、夏休みが来るとほっとします。本人が学校に行くか行かないかの葛藤をしなくてすむからです。4月から7月の夏休み開始まで、保護者も本人もおそらく毎日毎日が苦難の連続だったはずです。夏休みぐらいほっとしたほうがいいでしょう。
でも、学校にいかなくていい、この時期こそ検査を受けたり、本人にカウンセリングをうけさせたりするチャンスです。夏休みは時間的余裕と心の余裕があるからです。本人にカウンセリングや検査をうける働き方をしてみませんか。1学期の真っ最中は、本人も葛藤しているので、そうした心の余裕がなかったかもしれません。でも今ならOKするかも。
一度でもカウンセリングを受ければ、それがきっかけとなって本人の内省が促進されるかもしれない。検査結果を知る事で、自分の個性を理解し少し前向きに生きられるようになるかもしれないですよ。
不登校、引きこもり改善の研修会
いじめ対応は簡単 不登校の方が難しい
いじめ対応は実は簡単です。法律がありマニュアルがあります。マニュアル通りやっていれば、いじめ対応は簡単です。まず、本人がいじめと言ったらいじめなのでいじめ問題として真摯に対応するということが対応の第一歩です。
なのに多くの教師がそれを知らず、本人の主張するいじめを疑ったり、君にも悪いところがあるなどのいじめとは関係のなことを言ったりします。当カウンセリングルームではいじめの相談にも対応して、迅速な解決をめざします。
不登校対応が難しいのは、不登校は1つの問題だけから発生するわけではないからです。学校、家庭、本人の性格などが複雑に絡み合い不登校になります。それらの絡み合った要因を一つ一つ紐解いていくなかで改善します。当カウンセリングルームでは、不登校の対応のための複数の方策を提案し、同時に展開していくなかで、一歩一歩改善をめざします。
トラウマを受けている若者にどうトラウマケアを届けるか
多くの人がトラウマを被っている。特に若者相手の仕事をしていると、多くの若者がトラウマ的な症状に苦しめられている。最近の若者がすぐ死にたいという言葉を口にし、落ち込みやすいのもトラウマが背景にある。離人症や解離性健忘のようなことを語る者もいる。
そんな彼らにトラウマケアをどう提供すればいいか。
まず、現在も進行形でトラウマを被るような状況が続いているなら、環境を整えてそういう危険な状況から助けることが先決である。虐待、貧困、暴力、DVなどなど。しかし、そのことも大仕事であり、学校、心理、福祉、医療などの連携した支援が必要である。
続いてどうするか。
安全が確保されたからといって、すぐにメンタルが落ち着くわけではない。心身の危険な状態から避難したばかりの若者は当然自分や人生や他人を肯定的にみられない。当然だが心の安心基地が育っていない。心の安心基地を少しずつ育むことである。
でも、ひどいトラウマを受けている人ほど、そういう心の安心基地となるような対象がない。
たとえば、私なら、沖縄の海、イエスキリスト、親鸞、呼吸などに意識を向けるとほっとする。それらが心の安心基地であるが、トラウマが強い人ほど、その例えを聴いて、かえって自分にはそんなものがないと戸惑うようである。それでも、彼らに時間をかけて、好きな色、匂い、動物などから心の安心基地をつくる。
そのあとどうするか。本当はトラウマセラピーを受けさせたい。しかし、特に若者にとって、継続的なトラウマセラピーを受けることは金銭的に大変である。そこで、基金を募ったり、クラウドファンディングをネット上で募って若者に安価にトラウマセラピーを行なうことができないだろうか。
あるいは今のトラウマセラピーは個別にしか行わないが、グループトラウマセラピーが開発できないだろうか。そうすれば安価に提供できるかもしれない。でも、グループで安易にトラウマを扱うことは危険であるという意見もあるであろう。
トラウマケアをどう若者に届けるかは大きな課題である。
トラウマインフォームド・ケアが注目されてます
以前は命の係わる出来事(事件、事故、災害被災など)がトラウマになると考えられていました。しかし、最近では複雑性PTSDといって、命に係わらなくても、いじめ、虐待、長期療養、ハラスメント、マルトリートメントなどが繰り返されることで、PTSDと同じ症状がでることがわかってきました。
バブル崩壊以後の失われた30年の中で、人々は生きることに苦しみ、心に余裕がなく、また災害や犯罪も多くなったこと、そして今回のコロナ禍で社会生活全体が停止するするなどして衝撃を受け、今やすべての人にトラウマやPTSD症状があるといってもよい時代になっています。
だから、学校の先生や職場の管理者等は立場上、とくに生徒や部下への言動に十分注意しなければなりません。これまで普通に行われていた、厳しめの指導や大声での指導が、生徒や部下のトラウマ記憶を呼び起こし、PTSD症状を悪化させる可能性があります。
また、生徒たちの行動に今までと違うなんからかの違和感がみられる時は背景にトラウマがあるのかもしれません。だから、すぐに生徒を叱責するのではなく、その行動の背景になにかあるのかなと考えて丁寧に言葉かけをすることが大切になります。
お子さんになにか気になる言動がみられたら、それはトラウマが背景にあるかもしれず、丁寧に対話をしていく必要があります。
このように、すべての人になんらかのトラウマがあるという前提で対応していくことを、トラウマインフォームドケアといいます。
カウンセリングルームさのでは、トラウマインフォームドケアを意識して来談者の相談に乗っています。
子どもたちの自傷自殺問題に関する研修会
山梨大学准教授川本静香先生を講師にして、子どもたちの自傷自殺の問題を考える研修会が、12月10日(土)に日本学校教育相談学会山梨県支部主催で行われます。山梨県教育委員会の後援を受けています。
本カウンセリングルームのボランティアスタッフの佐野和規が担当者として運営します。
詳しくは下記ホームページをご覧ください。
https://kyouikusoudangakkai-yamanashi.jimdofree.com/
命を大切にする教育相談の研修会
今度の10月8日(土)
日本学校教育相談学会山梨県支部10月研修会で「チーム学校 -生徒の命を救うための連携による教育相談-」というテーマで研修会の講師を本カウンセリングルームボランティアスタッフの佐野和規がします。
場所は韮崎駅前の韮崎市民交流センター「ニコリ」で14時からです。
従来の連携論にプラスして、コロナ禍で増えている生徒の自殺他害の問題にどのように対応したらいいかについて、自分の研究実践成果も含めてお伝えします。
一方的な講義ではなく、みなさんと一緒に考える時間も設けます。関心のある方ふるってご参加ください。
夫婦についてのカウンセリングを受け付けています
夫婦関係というのはとても難しいものです。
愛し合って結婚したはずなのに、そして、結婚式では永遠の愛を誓ったはずなのに。
いつのまにか、行き違い、すれ違い、喧嘩が絶えなくなる。
それはそうでしょう。もともと違う家庭で育った二人です。生活習慣や価値観も違います。
それでも子どものために、経済的問題のために、離婚までには踏み切れない。
離婚するほどのエネルギーもない。
そんな時、ぜひカウンセリングをうけてみませんか。
経験上、夫婦1人ずつ面接したりする方が有効な場合が多いです。お互いの誤解を解いたり、思っていることを伝え合ったりして、夫婦関係を見直すことができます。
愛し合った頃にまで戻るとはいえなくても、それなりに落ち着き、乗り越えて、よい夫婦に成長していくケースをたくさんみてきています。
続ければよくなる
1回のカウンセリングで問題が解決することもたまにはありますが、普通は、どんな問題でも解決には時間がかかるものです。
時間がかかっているからといって、そのカウンセリングに効果がないわけではありません。
多くの人は、すぐに解決しないと効果がないと勘違いしますが、粘り強く継続して支援(カウンセリング)を受け続けることが本当は大切です。
私の経験では、たいていのケースで3年ぐらい継続してカウンセリング(支援)していれば、はっきりした効果がみえてきます。
不登校や引きこもりの子でも、粘り強く3年ぐらいの支援やカウンセリングで改善の兆しがみえます。
人間の心の問題は長い年月かけて発生します。だから、その解決にも時間がかかって当然です。親子関係の葛藤、継続的な心理的虐待などなどで形成された問題は、やはり継続的なカウンセリングでこじれた糸をほどいていくような作業が必要です。
だから、諦めず粘り強くカウンセリングを受け続けましょう。
スピリチュアルな問題ついても考えます
心理的な問題を改善していくためには、どうしても人生の意味や魂の問題に触れないわけにはいきません。
どうして自分はこのような悩みや問題に直面しているのか、自分たちの家族はどうすれば幸せになれるのか。そのような問題を考えていくのに、スピリチュアルな発想も必要なのです。
臨床心理学では、人には神や超越的な存在を求めたり信じたりする心性があり、その心性は場合によっては心理的にプラスをもたらすということが解明されています。そして、その心性をスピリチュアリティといいます。
この場合のスピリチュアリティは、オカルトとは違い、科学的な視点からのものです。つまり、現在のところ神や死後の世界の実在は証明されていないし、その存否はわからないけど、少なくとも人間にはそれを求める心があるので、それを大切にしようという立場です。
私たちカウンセリングルームさのでは、皆様のそのようなスピリチュアリティ(宗教心、信仰心、超越的な存在や人生の意味について考える心性)について、大切に扱いいっしょに考えます。
以下は、スピリチュアリティについて臨床心理学の立場から追求した動画です。
https://youtu.be/2r-u0YvAgTM
マインドフルネスによる癒やし
カウンセリングルームさのでは、体からの癒やしも体験できます。
そした方法の1つとして、呼吸や体の感覚などに意識を集中させてリラックスするマインドフルネスが注目されています。
マインドフルネスは、もともと東洋の瞑想にヒントを得てアメリカにおいて開発され心理療法に取り入れるようになりました。
それまでの心理療法(カウンセリング)が言語中心で行われるのに対して、言語以外の体の感覚に意識を向けることで、メンタルの安定を図ろうとするものです。
やり方は、いまここで感じる感覚に意識を向け続けるだけです。
それは「いまここ」には悩みはないからです。「悩み」というのは必ず過去や未来に関わるものです。人は、メンタル不安定な時、過去の失敗や未来の不安に意識が行き、心ここにあらずという状態になります。
その不安定な心理状態を改善するのがマインドフルネスです。いまこの瞬間に感じる呼吸などに意識を向け続けるだけでメンタルが安定します。
1日5分だけでも毎日呼吸に意識を向け続けるようにすれば、長期的にメンタルがどんどん改善していきます。そして、集中力や創造力もアップしてくると言われています。
Googleも社員の自主研修に取り入れているとのこと。食事の時は食事に、歩いていいる時には目の前の歩いていることに意識を向けるマインドフルネスに取り組んだところ、かえっていろんなアイデアが出てくるようになったとのこと。
どうしてマインドフルネスをやるとアイデアが出てくるなどのメンタルの安定がもたらされるのでしょうか。
その辺を以下のアドレスの動画で詳しく説明しています。
引きこもりでも、人は成長している
引きこもりの状況でも、その人は全くなにもしていないわけではない。部屋にこもってゲームしたり動画視聴ばかりしている当事者でも、そのことそのものが成長にとってプラスにならないわけではない。
ゲームや動画もそれなりに忍耐がいるし、それらを扱うスキルが必要である。そして、ゲームや動画からけっこう現代社会の最先端の情報や技術が入手できる。
それが本人にとって今のところ実現できる適度な学びの機会ともいえなくもない。
あるいは、親と繰り返しバトルをする当事者がいる。今のところバトルという形で親子のコミュニケーションをとっているともいえる。この段階では親子の会話の仕方がバトルという形態をとっている。親の忍耐が試されている。
さらに、そもそもずっとなにもしないで部屋にいることそのものが実は大変なことで、ある意味経験値を高めているとも言える。
つまり引きこもりの状況は成長が止まっているのではなく、彼らなりに経験値を高めているのだし、今の彼らにとってそれが必要な学びであるし、それなりに成長しているといえる。
つまり、引きこもりにも、それなりに成長できる良い引きこもりがあるのではないだろうか。
不登校の相談にのります
学校がスタートして最初の頃は不登校気味の子も学校にがんばっていきます。
しかし、ゴールデンウィークぐらいから、やはり力尽きて不登校が再発することも多いです。
不登校の本人や親御さんの相談にものりますので、ご連絡をいただければと思います。
以下のアドレスは、不登校についての最新の対応について、本カウンセリングルームスタッフが作成したものです。
参考までにご覧ください。
オミクロン株でメンタルがやられます
ウイルスというものはどんどん変異し、伝染性を強め弱毒化するといわれていた。新型コロナウイルスはまさにそうで、致死率は下がるけど伝染性が広まっているようである。私たちの身近にも、コロナで陽性になったけど、熱もでず具合もあまり悪くならなかったという人がいる。
ただ、オミクロン株になって軽症化したのかもしれないが、伝染力が高まって感染者数が増えている。結局軽症化しても、感染者数が過去最大になったため、様々なイベントも中止されたり、縮小されたりすることがまた起きている。
その結果、体よりも心をやられる人が増えていると思われる。
心のダメージを受けた人は、自分は大丈夫と思いがちで、自分が心のダメージを受けていることに気づかない。
もしかして、今のあなたのメンタルの不調には、オミクロン株の爆発的増加が関係していないでしょうか。
客観的事実より大切なこと
クライエントの主観的心理の方が、客観的事実より大事です。
人々は客観的事実を追求するあまり二次的被害を与えます。
いじめの客観的事実関係を確認しようとするから、いじめ被害者は傷つくのです。この先生にはわかってもらえないと思うのです。
その子がいじめ被害を訴えたら、まずその子の主観的語りを聴くことが大切です。主観的語りを聴く時に大切なことは当たり前だけど真実だと思って聴くことです。
虐待の支援の場でも、被虐待の語りを真実かどうか確認しようとする言動が支援者たちにみられることがあります。でも、そのスタンスそのものが被虐待児を二次的に傷つけるのです。
DVや性的被害者に客観的事実を確認しようとして語らせることが、さらに大きく被害者を傷つけます。
いじめ、虐待、DV、性的被害者は、心身が動揺しながら恐怖におびえながらメンタル不安定なまま、被害をやっとの思いで訴えるのです。
語りの揺れや認知のブレがあって当然でしょう。そこには主観的語りと客観的事実のずれが生じるものです。だからといって、その人たちが被害に遭い、大きく傷ついているという事実に、変わりはないのです。
それに客観的事実とはなんでしょう。人々の心理や認知から独立した客観的事実そのものなど存在しないのではないでしょうか。いじめ問題でも、似たような言動でも、ある人はいじめととり、別の人はいじめととらないということが起きます。
いじめがあったかなかったかは、被害者の主観によって決まるのです。
それらの支援者たち、特にカウンセラーは、まず被害者の語らいを丁寧に聴き取り真実として共感していくことが大切なのです。
1/22研修会がオンラインに変更
研修会のお知らせ
自殺や他害を減らしていくために
信じて任せて待ってはいけない
あえて議論になるテーマを選んでいます。 文責 佐野和規
不登校の子供へのカウンセリングや対人支援の有力な考え方の中に「本人が動き出すまで待つ」というものがあります。
その考え方に立てば「いろいろ働きかけることはマイナスにしかならない」となり、親が本人に対して焦って働きかけるからかえってよくない、本人が動き出すのを信じて任せて待つことでいつか本人が自ら立ち直っていくという発想をします。
でも、この考え方で、不登校や引きこもり本人に対応すると、大きな過ちを招くことがあります。
特に、本人の問題の背景に発達障害がある場合、どんなに待っていても、本人が動き出さないことがあります。
このようなケースのいくつかが、引きこもりを長期化させ、親が80歳代本人50歳代になってまだ引きこもっているという、いわゆる8050問題になるわけです。
今50代の引きこもりの人たちが不登校や引きこもりになり始めた1990年代は、心ブーム、カウンセリングブームが起き、その頃のカウンセリング理論が、傾聴や沈黙を重視したこともあって、本人にいたずらに働きかけないで待つ方がよいという誤解も生みました。
確かに、不登校のことで激しいバトルになる親子もいます。そんなバトルをするぐらいなら、信じて待つようにした方がよいですし、この考え方に救われた保護者もいたでしょう。
でも、信じて待っていたつもりが、いつのまにか、本人を放置しているだけということはないでしょうか。
カウンセリングや支援の場において、正解はその中間にあることがほとんどです。信じて任せるのでもなく、激しく働きかけるのではなく、ある程度、家族や支援者が、対話をしかけたり、肯定的関わりをしたりする中で、時々見守る。そして、しばらく見守ったら、また次の働きかけをするというバランス感覚が大切なのではないでしょうか。
「信じて任せて待つ」という美辞麗句に依存して、本人をただ放任、放置しているだけのことはありませんか。
大切なのは、適度に関わり続けることです。
企業や地域で研修会をさせてください
私たちはお互い勉強したり議論をしたりしています。子育てについても二人で苦労しています。自分たちで言うのもなんですが、いろんな意味で経験豊富です。
博士の学位を取得し、論文発表も続けていることもあって、世界全体の最新の心理学や心理臨床の方法についても追いかけており、最先端に心理学やメンタルヘルスの方法についても知識が豊富です。
私たちはすでに何十回も様々な研修会で講師をしていますが、比較的好評です。私たちは既存の方法を受け売りするのではなく、自分たちで実践したり経験したりして学んだことや発見したことを付け加え話をするようにしています。
心理や相談支援、メンタルヘルスに関することなら、どのようなことでもオーダーメイドで対応できます。それは、講演当日までに、自分自身で相当程度勉強しなおして、アレンジするからです。
以前アンガーマネジメントの研修依頼を受けた時には、アンガーマネジメントの有料研修を受講し自分の臨床経験も交えながら講師をさせていただきました。
私たちは、自分が経験し学び気づいたことを、多くの方々に還元したいと心から願っています。こんな方法があるのに、こんな発想でやればいいのにと思うことがたくさんあり、伝えたいです。
ぜひ、お声をかけてください。
悩みをきちんと悩みましょう
一部の若者に悩みを悩めない人がいると思います。特別なケースかもしれませんが、衝動的に犯罪を犯すような人です。
漠然とした不満や不安から一挙に行動をしてしまう人が、自殺や他害等の命を脅かす行動にでてしまいます。
彼らの特徴は、一言で言ったら、悩みを悩んでいない、ということです。失恋などのショックなことがあったら、落ち込み、悩み、そして、クヨクヨしそれをだれかに語ればいいのです。それが悩むということです
言葉にするということはとても大切なことです。言葉にした瞬間からショックや苦しみは悩みとなり、自分自身で制御コントロールできるようになります。
聴き上手な人にその悩みの言葉を聴いてもらうだけで、苦痛が薄らぐ場合もあります。
つまり自分の心の不安定をきちんと言語で捉えて言葉にした瞬間から、その不安定な心は、健全な自我によって調整され制御されるようになるのです。
だから、悩みを言葉にして語るカウンセリングという作業はとっても大切なのです。
まず悩みをしっかり言葉にして悩むことから、悩みや問題の克服や改善が始まるのです。
トラウマ改善と発達障害検査ができます
カウンセリングルームさのへの予約申し込みが多くなってきました。そのため、実質佐野孝枝一人でやりくりしているため、返信が遅くなったりしているようでご迷惑をおかけしています。
佐野和規の方は、HPの整理やブログの記述ぐらいのバックアップしかしていないので、妻一人で切り盛りするのはたいへんのようです。
佐野孝枝もカウンセリングの質を維持しながらがんばっているようです。
山梨にもカウンセリングルームはいくつかりますが、本格的なトラウマ治療ができたり発達検査ができるのことが当カウンセリングルームさのの売りです。。
しっかりと役割を果たしていきたいと思います。
出口がみえないコロナ禍の中、メンタルの安定を
コロナ対策に万全をつくせばつくすほど、メンタル不安定になる人が続出します。我々心理職は、コロナ対策とメンタルの安定の両方を視野にいれます。
今はコロナが一番問題なのだから、どんなことを犠牲にしてもコロナ対策をすべきだという意見もあるかもしれません。そういう意味では、まだまだ活動の自粛が足りないという主張もあります。
しかし、少なくとコロナに関しては若者の死亡率は低く、一方でコロナ以後若者の自殺者は増えています。自殺者を増やさないためには、適度なコロナ対策がよいのであって、すべての活動を止める等の過剰な対策は慎むべきだと思います。
感染対策に注意しながら、学校の授業や大事な行事は行った方がよく、家族や個人でも感染対策をしながらも、ストレスの溜まらない生活を心がけたらいかがでしょうか。
トラウマの場面にいっしょにいる感じ
トラウマを改善するカウンセリングでは、来談者の実際のトラウマ的な場面や関連する場面のお話を聴いたり、想起してもらったりします。そのときの我々カウンセラーの心境は、本当にその場面にいっしょにいるような感じになります。
その人がトラウマを受ける場面にあたかも同席していて、それをなだめたりなぐさめたりしてトラウマ的な記憶を普通の記憶に変容させることをするのです。用いる技法によって違いがありますが、トラウマ的な出来事が起きた直後のつらさをカウンセラーである我々も心身で感じとり共感していきます。
まるで被災地に行って、被災者を被災直後になぐさめたりいやしたりしているような緊張感です。でもそのようにしないと、その人の心的外傷は本当には癒えないと思います。
私たちは東日本大震災や熊本地震の被災地支援に行ったことがありますが、トラウマ治療はあたかも時空を超えて被災地支援に行っているような感じです。
いじめを解決する方法
現在いじめ被害に合っている人はいますか。
最近心理学ではいじめ被害を受けた人は、トラウマレベルでメンタルにダメージをうけるので、あとあとの人生に大きな影響が出るとされています。だから、いじめは絶対に許されないのです。
現在進行形でいじめ被害にあっている本人や親御さんたち。まず今のいじめ被害を改善しませんか。そのための方法について、私たちは相談に応じます。
今いじめ防止対策推進法が制定され、この法律では被害者に徹底的に寄り添って学校はいじめ解消をめざすことがうたわれています。
よくいじめ相談をすると、先生から「君にもいじめを受けるような原因がある」とか言われるケースがありますが、そのようなことは絶対言ってはいけないのです。
あるいは、先生たちが加害者を指導して結果として加害者側から先生に告げ口したと言われ、いじめがさらに悪化するということもあります。いじめ加害者指導は、必ず本人、保護者の了解を得てから行う。その場合も、加害者を直接指導する方法以外に、加害者にいじめの話をせず他の話題で指導することでけん制する方法、加害者側を直接指導せず加害者の属する学級、学年など全体に「いじめを許さない」という指導をしていく方法等などがあります。
これらの方法では、被害者から相談に基づいて動いていることをごまかすことができるので、告げ口したと言われて、状況が悪化することはありません。一方でこうした間接的な加害者指導も有効性があります。
このようないじめ解消の方法があるのに、学校によってはそれらの方法を知らないところがあります。私たちは時にはケースワーク的な動きとしてお子さんのいる学校に働きかけることもできます。
引きこもりはなぜ多いのか
8050問題とはなんのことかわかりますか。不登校や引きこもりの当事者と親が高齢化している状況を指します。引きこもり本人が50代、親が80代になっている、そういう親子が大勢いるのです。引きこもり親子の引きこもっている期間は、ちょうど1991年のバブル崩壊から今日にいたるまでの時期と一致します。デフレが長引き非正規雇用が増え、若者が自立しにくくなった時代です。
1990年代はちょうど心の時代とも言われ、不登校児には登校刺激を与えないこと、また、本人が動き出すまで待つことが適切な対応だと信じられた時代です。でもそのようにして待っていた結果が、引きこもりを放置してしまうことにつながり、引きこもりが長引くことになってしまったのではないかと、私たちは考えています。
今は不登校や引きこもりの子供には、親や支援者が丁寧に対話を働きかけていくことが、求めらえています。特に、発達障害を原因とした引きこもりの場合、待っていても改善しません。
そして大人の引きこもりに対しても今からでも適切に対話をしていくことで改善する可能性が高まります。
そのような対応を私たちとともしませんか。
人を変えるのは対話
カウンセリングはクライエントとカウンセラーの対話のことです。我々のカウンセリングでは、クライエントが一方的に話してカウンセラーがただ傾聴するだけというスタイルをとりません。クライエントの発話量を超えないようにしていますが、カウンセラーである私たちの自分の思いを伝えます。
そうやってクライエントも自分の考えや気持ちを伝え、それに応じてカウンセラーの思いや気持ちを伝え合うことでなんらかの気づきや内省がお互いに促進され、心の整理が進み、状況の変化がおこるようになると思います。
したがって、私たちのカウンセリングは双方向的な対話になり、その方が心の整理が進むと考えてます。
継続カウンセリングの効果は絶大
ほとんどの問題は1回の相談では解決しません。継続したカウンセリングによって、根本的な解決ができます。継続カウンセリングの効果は大きいのです。それは最近科学的に立証されています。
いろんな問題が、自分の性格、家族との関係、過去の傷つき、その他いろんなことに影響をされて発生しています。カウンセリングの継続によってその回ごとに1つ1つそうした問題を解決改善していきます。
すると、根本的には自分の生き方や価値観の問題が出てきます。そうした価値観や生き方の変容をもって始めて問題が根本的に解決されるのです。
私たちのカウンセリングルームではカウンセリングの料金が低めですが、それは継続カウンセリングをしてもらいたいからなのです。
いきなりトラウマは扱いません
地方にトラウマ療法を行える場所が少ないため、私たちはカウンセリングルームをつくりました。そして、トラウマへの相談支援を看板に掲げています。ただ、来談者の中には、トラウマに向き合うのが怖い方も大勢います。
私たちは相談者の悩みの多くがトラウマ的な問題と関わっているという立場に立ちますが、その準備が整ったり時期が来るまで無理にトラウマ治療はしません。
ただ、本当に自分の悩みや課題を乗り越えていくためには、一度はトラウマ的な問題があるかないか、精査する必要はあります。
カウンセリングの効果について
カウンセリングはどのような効果があるかというと、メンタルが安定し心理的に成長するという効果があります。
人は、自分では気づきにくい、心の葛藤やトラウマがあって、それを整理できないまま生活しています。すると、その葛藤やトラウマが影響して人間関係がうまく行かなかったり、心理的に不安定になったりします。
例えば、かつて父親から厳しくしつけられた人は、父親のような上司や先輩や男性が苦手になりうまく付き合えません。しかし、厳しくしつけられた意識がないので、自分ではその原因がわかりません。
ところがカウンセリングによってカウンセラーと対話していくと、少しずつ自分の抱えている葛藤やトラウマを意識できるようになり心理が安定し、上司や先輩が苦手ではなくなります。
例えば、子ども時代に長期にわたって治療したり手術したりした体験が、自分自身の心身への拘りや気にしすぎを生じさせていますが、自分ではそれに気づきません。カウンセリングによってそれが辛い体験だったことに気づいたりすることで、心身への拘りがなくなります。
カウンセリングはそのようにカウンセリングでの対話によって自分の葛藤やトラウマに気づくことができます。
カウンセラーはそのような気づきを得ることができるように来談者に寄り添いながら導きます。
トラウマに向き合う怖さ
私たちはトラウマ治療を看板にあげています。ただ、トラウマの問題にはいきなり向き合うことはしません。トラウマに対応していくことが怖い人が大勢いるからです。私たちのカウンセリングでは、準備が整い時期が来るまでは本格的なトラウマ治療に入らないようにしています。
本当の共感とは
あなたは、カウンセラーとしてクライエントに対して、本当は共感していないのに、なんとなく共感のふりをする言動をしていないでしょうか。
それを私は、「偽りの共感」と呼んでいます。
厳しい言い方をしているのは、「偽りの共感」によって傷つくクライエントが大勢いるからです。本当は共感していないのに、共感しているフリをされたら、ダブルバインドであり、クライエントは傷つくのではないでしょうか。
日本のカウンセラーの多くは、ロジャーズの理論を最初に学びます。ロジャーズは、「受容」「共感」「自己一致」の3つをカウンセラーの態度条件としました。しかし、「自己一致」と「受容」が日本ではよく理解されておらず、「共感」だけが一人歩きしている感じです。
そのため、中途半端にそれらを学んだカウンセラーは、面接の時、強迫的に「共感しなきゃ」と思っているので、強引に「それはつらいねえ」「たいへんねえ」と共感的言動をすることがあります。
自分が強迫的に共感しようとしていることに、日本のカウンセラーは自覚的であるべきです。
それは、クライエントの語る内容が論理的にはつらそうな状況だったので、カウンセラーが実感がないのに、論理的に共感的言動を言っているだけです。
そういう過ちが、日本の心理臨床の場面で繰り返されているような感じがします。
ではどうすればいいか。
無理に共感するよりも、まずクライエントの状況をしっかりと知ることです。ロジャーズ理論が質問や助言に抑制的である(と誤解されている)ため、日本のカウンセラーは、ろくにクライエントの状況を知りもしないで、「偽りの共感」をしてしまうのです。
クライエントから具体的場面の具体的状況を聴いていれば、結果として自然と共感をしてしまうのではないでしょうか。
共感とは、具体的状況を丁寧に聴いていて結果として「至る」ものであって、無理に「する」ものではないと思います。
日本のカウンセラーは、共感をしようとする前に、クライエントの状況をしっかり把握すること、丁寧に聴いていくことが大切ではないでしょうか。(和)
すべては愛着の問題
愛着とは、簡単に言うと、「人といっしょにいて安心する能力」ということです。普通は愛着は、両親から愛情をうけることで形成されます。あなたは、ご両親のどちからかに可愛がられたり、愛されたりした経験がありますか。親との愛着が形成されると、親の側にいるだけで安心感を味わったりほっとしたりした経験があなたにはあるはず。
そうして愛着が形成された人は、その後両親以外の人といっしょにいて安心感を味わったりできるようになり、その人の心の中に安心基地となるイメージが形成され、さらにありのままの自分を認める自尊感情も育ちます。
トラウマがある人、虐待を受けていた人には、この愛着=心の安心基地が弱いので、カウンセリングやトラウマ治療では、まず心の安心基地を形成することをします。そのためにはまず、カウンセラーとの人間関係ができて、カウンセラーがその人の一時的な安心基地になることが必要でしょう。
トラウマ治療の説明②私にはトラウマなんていない?
私はトラウマではなく、普通の心理的問題を解決したいのに、と思っている人でも大丈夫です。トラウマ治療的なアプローチは、トラウマ以外の通常の悩みや心理的課題にも対応できます。トラウマ治療的なアプローチの場合、その悩みに伴う身体感覚を確認する作業から始まることが多いです。
なんとなくうつっぽいという主訴を訴える人に、トラウマ治療以外のカウンセリングでは、対話によって、そのうつっぽい背景について内省をしていきます。対話も内省もセラピーにおいては大事なので、それで効果がある場合もあります。
でもトラウマアプローチの場合、「そのうつっぽさは体のどこで感じますか?」「その(体の)場所でどんな感じがしますか」さらに「そのうつっぽさは、その場所でどんな形や色をしていますか」という身体感覚と関連づけて確認する作業から入ることが多いです。
結果としてそのうつっぽさはトラウマ的な心的外傷まで遡らなくても、改善する場合もあります。あるいは、言語以外の身体作業でセラピーをやることが多いので、悩みやトラウマを語らなくても改善するのがトラウマ療法的なアプローチになります。
だから、トラウマがない人でも、悩みの改善ができます。
トラウマ治療の説明①EMDRについて
カウンセリングの案内のところでも書いてますが、私たちが行えるトラウマ治療は、EMDR,ホログラフィトーク,ブレインスポッティングなどです。このうちEMDRは、目を左右に振りながら、きっかけとなる出来事を想起してみることで、でトラウマなどの記憶を処理していくものです。このように左右に与える刺激を両側性刺激といいますが、目以外にも左右に振れる音や音楽、左右にタッチすることなどでも同じ効果が得られます。
その仕組みは完全に解明されていませんが、左右に刺激を与えることで右脳左脳の連結を促進するなどの説があります。
オンラインカウンセリングも効果は変わらない
カウンセリングや心理療法の研修会がオンラインで行われるようになってます。そして、対面でペアになるかわりに、ズーム上でペアにグルーピングされます。そしてペアで実習し効果も測定しますが、以外と効果が、対面と変わらないのに驚きます。
これまでカウンセリングでは対面でこそ意味があるという考え方もあったのですが、意外とオンラインでも効果があるということが、今回のコロナのことで、わかってきたような感じです。
また、これまでカウンセリングの研修会では、全国いろんな場所に旅費と宿泊費をかけて出かけたわけですが、オンラインで自宅にいながら研修が受けられる便利さも味わっています。
公的相談機関と民間の相談機関の連携が必要
財政危機の中、日本では公的な相談機関の充実に限界があります。発達障害者支援センターはじめ、多くの無料の公的相談機関は、混んでいて、継続的な面接が容易ではありません。次の面接予約が1ヶ月待ち、3ヶ月待ち、半年待ちです。
そのような中、民間の相談機関と公的相談機関の連携がどうしても必要だと思います。
ストレスの時代からトラウマの時代へ
以前は多くの人にストレスがある、あるいは心理的葛藤があるので、、それを改善するためにカウンセリングなどが発達し、対話などを通じて葛藤を紐解き、ストレスを弱めて改善するということが行われてきました。
しかし、近年は、トラウマ概念が広がった結果、多くの人になんらかのトラウマがあり、それがその人のストレスの背景にある、従って、その人の持つトラウマの改善をする必要がある、トラウマは体に記憶されているので身体にアプローチするセラピーが必要だとされるようになってきています。
折しも、2001年の911同時多発テロ以後テロや戦争が相次ぎ、アメリカでトラウマ治療の方法が開発され、さらに、日本も大地震が多発したり災害が相次いだりする中で、トラウマ療法が輸入されたり日本独自に開発されたりしてきています。
そして、それらのトラウマ療法は、トラウマにも効果があるし、従来のストレスや心理的葛藤にも効果があると言われています。
女性の皆さん思い留まってほしいです
コロナ感染症の問題は、災害や危機の問題です。災害や危機の時には一番弱い立場の人にしわ寄せがいきます。子ども、女性、非正規雇用の方々が犠牲になりやすいです。あなたが今苦しいのは、あなた自身のせいではない。ぜひ思い留まって、生き延びてほしいです。せめてだれかに相談してほしいです。
なんとか生き延びて、生き抜いてください
生きていくのは辛いです。特に、この閉塞したコロナ禍においては、辛いことばかりです。自分が辛いということにすら気づく余裕がない状況が続いています。あるいは、コロナが原因で問題が起ているということに気づきません。
だれか一人でも気持ちを聞いてもらえる人はいませんか。その人の顔が浮かんだら、その人に会いに行き、あるいはメッセージを送り、話をしてみてください。一人で死ぬことを考えているより絶対に楽になるはずです。
身体を大切にすると心も癒やされる
人間の脳は脳だけで完結せず、体とつながっています。だから身体を感じる力が高まれば、自分の心にアクセスしたりコントロールしたりしやすくなります。私たちのカウンセリングルームでは、身体へのアプローチを大切にします。自分の悩みや問題について、身体で感じることが上手になれば、自分の心を理解するようになり、心の問題も改善します。
9月は自殺が多いと言われてます
夏休み明けのこの時期、様々な理由から自殺する若者が多くなると言われています。特に今年はコロナ問題で夏休みが短くなり、なおさら若者の自殺の危険性が高まっているかもしれません。
私自身も時々、死にたいとか自殺したいとかの相談を公私にわたって受けるときがあります。その時まず大切な応対は、この人が死にたいほどの辛い思いでいることを理解すること、そして、死にたくなるほどの辛いことがなんなのかを丁寧に尋ねていくことです。そして、自殺したくなるような辛い問題そのものを解決しようとすることです。
なのに、世間では本人の死にたい理由を考慮せず、ただ「命を無駄にしてはいけない」とか「死にたいなんて言ってはだめだ」とか説教のような対応をする人が多いです。まずは、本人の「死にたいと思うほどの辛さ」にしっかり寄り添うことが大切です。
個別相談に留まらない支援を提供
当事者の抱えている心理的問題は、個別心理面接だけで十分改善する場合もあります。ただ、多くの問題は個人の心理的問題に留まらず、学校や家庭の環境の問題や逆に本人の身体の問題に関わる場合があります。私たちはそのような当事者の心理的問題をご家族を含めてトータルに改善しようと考えております。
そのためカウンセリングルームに留まらずご家庭に出向いて対応もします。そのような対応をアウトリーチといいますが、アウトリーチを提供するカウンセリングルームはあまり多くありません。
私たちは当事者本人だけでなくご家族も支えたいのです。
料金の重要な意味
私たちは心理療法やカウンセリングを行う場合、料金をいただきます。料金をいただくことにはプラスの効果がいくつかあります。まず、カウンセリングの時間はすべて相談者のものであるということになり、相談者は遠慮せずセラピストに主張することができ、遠慮しなくてよくなります。またセラピストの方も料金をもらう以上いよいよ責任感を感じて良質のカウンセリングを提供しようと意識します。お互いに責任のある関係性になるのでカウンセリングやセラピーの質が高まると言われています。
初回は90分で
私たちは、1回の面接で相談者のかかえている問題をおおむね理解し具体的方向性を提示することを目指しています。それには、ある程度時間をかけてお話をうかがうことが必要です。そのため、初回の面接では90分で行うことにしました。また、どんな問題でも1回で解決することは難しいですが、何回か継続的に面接をすることで確実に改善や変化を生み出すことができると考えております。
短い夏休みが終わり2学期が始まりました
いつもなら、2学期開始のこの時期は子どもたちのメンタルを心配する声があがるのに、今年はそういうこともあまり聞かない。コロナ禍が収まらず短い夏休みで子どもたちのメンタルは例年より不安定になってもおかしくない。大人の皆さん、大人自身も大変ですが、子どもと対話をしていきましょう。
感染対策を十分にして対応します
コロナ感染が再び広まっていますが、本カウンセリングルームでは感染対策を十分に行っております。
また、感染が心配な方はオンラインでの相談も受け付けています。