トラウマインフォームド・ケアが注目されてます

以前は命の係わる出来事(事件、事故、災害被災など)がトラウマになると考えられていました。しかし、最近では複雑性PTSDといって、命に係わらなくても、いじめ、虐待、長期療養、ハラスメント、マルトリートメントなどが繰り返されることで、PTSDと同じ症状がでることがわかってきました。

バブル崩壊以後の失われた30年の中で、人々は生きることに苦しみ、心に余裕がなく、また災害や犯罪も多くなったこと、そして今回のコロナ禍で社会生活全体が停止するするなどして衝撃を受け、今やすべての人にトラウマやPTSD症状があるといってもよい時代になっています。

だから、学校の先生や職場の管理者等は立場上、とくに生徒や部下への言動に十分注意しなければなりません。これまで普通に行われていた、厳しめの指導や大声での指導が、生徒や部下のトラウマ記憶を呼び起こし、PTSD症状を悪化させる可能性があります。

また、生徒たちの行動に今までと違うなんからかの違和感がみられる時は背景にトラウマがあるのかもしれません。だから、すぐに生徒を叱責するのではなく、その行動の背景になにかあるのかなと考えて丁寧に言葉かけをすることが大切になります。

お子さんになにか気になる言動がみられたら、それはトラウマが背景にあるかもしれず、丁寧に対話をしていく必要があります。

このように、すべての人になんらかのトラウマがあるという前提で対応していくことを、トラウマインフォームドケアといいます。

カウンセリングルームさのでは、トラウマインフォームドケアを意識して来談者の相談に乗っています。

2022年12月28日