セラピー中の疑問は次のセラピーで解決を

相談者と我々セラピストの間で、セラピー中に行き違いが生じたり、誤解が生じたりすることがあります。その多くは、我々セラピストのミスであったり応答がズレたりしていることがあるかもしれません。

ただ、それだけではなく、相談者様の日常的な人間関係がセラピーに反映する場合もあります。それを専門用語で感情転移といいます。よくあるのが、親に対して複雑な気持ちがある場合、それをセラピー中やその前後にセラピストに向ける反応です。それを受けて、セラピストも反応してしまうことを逆転移といいます。

たとえば、年配の男性セラピストに対して、父親に対する反発と同様な反発の気持ちが沸いてくる場合があり、それを受けてセラピスト側も子どもに対する感情を相談者様に出してしまうこともあります。

それらをまとめて転移逆転移といいますが、実はこれも相談者様の問題解決の手がかりになることがあります。親子の感情的人間関係がセラピーの場で再現されているのですから、絶好の手がかりです。

だから、その場合もセラピーやカウンセリングをやめてしまうのではなく、あるいは、セラピー以外のメールのやりとりなどで解消するのではなく、次のセラピーで話題にして相談者様の問題解決やお互いの成長に活用した方がよろしいかと思います。

ぜひ、引き続きセラピーやカウンセリングを粘り強く継続していきましょう。

2024年09月30日