いきなりトラウマを語る必要はありません
トラウマは少しずつしか聴きません
本カウンセリングルームではトラウマ治療をしていますが、だからといって、いきなりトラウマを語ってもらうことはありません。トラウマを語ると悪化する場合があるからです。
トラウマ治療を受けたいと予約をとっていただいて、面接が始まってもどんなトラウマかはお聞きしません。
最初、心の安心基地を育みます。あなたにとって、安心できる場所、人、風景、時間帯、色、匂いなどなんでもなにかプラスになるイメージやリソースをお聞きします。それは、実在するものでも想像上のものでも大丈夫です。
ただ、トラウマのある人は、そのような心の安心安全基地が乏しい場合があるので、それをカウンセラーがいっしょに育みます。
例えば、ある人は、そういうものがなかったので、カウンセラーといっしょに考え、景色とか部屋とか歴史上の人物とか少しずつ試行錯誤で育みました。
そして、その安心安全のイメージを深めるために、トラウマセラピーの手法であるEMDR,ボディコネクトセラピー、タッピング等を用います。
何回か、安心安全基地を育むことに成功したら、今度はトラウマではなく、日常的な悩みや身体の不調などをターゲットにトラウマセラピーをします。
その日常の悩みや身体愁訴がトラウマにつながっている場合があるので、少しずつトラウマに近づくのです。それはスモールステップの発想と同じです。
だから、トラウマ治療を希望しているからといって、いきなりトラウマを伝えようとしなくて大丈夫です。ただ、トラウマセラピーをしたいと教えていただくだけで大丈夫です。
伝えるのが苦手だからといって、詳細に記述して最初に伝えることも必要ないです。その文章を書くだけで、トラウマが悪化する可能性があります。カウンセラー側も手紙やメールでいきなり詳細にトラウマを伝えられても上手に対処できない怖れもあります。
トラウマ治療は少しずつゆっくり確実に進めていくものです。