トラウマの場面にいっしょにいる感じ
トラウマを改善するカウンセリングでは、来談者の実際のトラウマ的な場面や関連する場面のお話を聴いたり、想起してもらったりします。そのときの我々カウンセラーの心境は、本当にその場面にいっしょにいるような感じになります。
その人がトラウマを受ける場面にあたかも同席していて、それをなだめたりなぐさめたりしてトラウマ的な記憶を普通の記憶に変容させることをするのです。用いる技法によって違いがありますが、トラウマ的な出来事が起きた直後のつらさをカウンセラーである我々も心身で感じとり共感していきます。
まるで被災地に行って、被災者を被災直後になぐさめたりいやしたりしているような緊張感です。でもそのようにしないと、その人の心的外傷は本当には癒えないと思います。
私たちは東日本大震災や熊本地震の被災地支援に行ったことがありますが、トラウマ治療はあたかも時空を超えて被災地支援に行っているような感じです。